個の保存

2 0 1 7 年 0 6 月 0 5 日

種の保存。とうめん人生の目的なんてものにはありつけそうになかったので、尊大なる大自然の皆様に倣って、僕もそれを目的に生きたらいいのかななんて思っていました。


といってもマンボウみたいに3億の子孫は残せないし、というより僕は1つでさえ命を産めやしないんだけど、とりあえず社会性を持って、ヘテロに生きるしかないよなあと思っていました。


さて、そんな風に考えてはいたのに、いざ社会に出てお金をもらい食べていけるようになり、可愛い彼女と暮らし、きっとそのうち子供ができて、育てて、というところが遠くに見えるかななんて思ったところで、はてこれが人生のゴール。ではないような気がしてきました。


不思議ですよね。辿り着かないと見えない景色はやっぱりあるんですね。僕はずっと童貞にしか見えない景色を大事にしたいなあなんて思っていたタイプなので、色々と感慨深かったりします。


生活は満たされ、物欲もない。だけど何か足りない感じがしてしまうんですね。このハングリー感の正体はなんなのだろうと、自分をつっついてみました。


ヒトは全体で見たらまだまだ増えていて、僕ひとりの貢献度なんて種の中では大してないと思うんですけど、種よりも自分個人を保存したいという思いがどうにも強い気がして、ああこれは凄く人間っぽいなあと思いました。


「個の時代」とはいろんなところで様々に近頃語られているような気がしますが、きっとそんな風になる遥か昔から、人間は自分を保存したかったんだろうなあと思います。


だから個の保存について考えてみたいなあと思いました。

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